2008 年
6 月
26 日
生活のリズムに合った制度に
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高齢者基礎調査の報告書に、考えなければならない点がいくつか見られました。その一つが高齢者福祉や介護保険事業の「あり方」です。 調査結果の中には、介護認定がされていても介護保険のサービスを利用していない人の調査もあります。サービスを利用しない第一の理由は、「自分で身の回りのことをするよう努力をしている」(56.7%)です。しかし一方で、自宅で転んだり、転びそうになったりした経験のある人は7割弱、転倒後、継続治療が必要、後遺症がある人は3割以上います。はたから見れば、誰かの手が必要な場合もあるのではないかと心配しますが、それでもサービスは利用せず、ご自身の努力で生活を保っていることがわかります。なぜ、サービスを利用しないのかを考えると、「介護」とか「介護予防」は受けたくないという気持ちがあるのではないか、それは「使えるサービスがない」ことにもつながります。そのことは私たちが行っている介護保険や介護予防の利用者調査にも表れていました。
高齢者福祉の事業や制度は、対象とされる人の気持ちを逆なでするような表現がたくさんあります。たとえば「特定高齢者」とか「虚弱高齢者」とか。最近では「後期高齢者医療制度」が多くの方のひんしゅくを買いました。また、介護保険では「生活をサービスに合わせる」ことが当たり前になっています。多くのデイサービスは、入浴は日中行われています。でも、介護保険を利用する前の生活では、夜、寝る前とかご飯の後とかに入浴する人がほとんどです。なるべく生活のリズムをそのままに、必要なところに手を貸すという内容にはなりません。サービスを提供する事業者は一生懸命努力をしているところがたくさんありますから、これは事業者の問題ではなく制度設計そのものの問題です。
生活のリズムや生活習慣を変えることは一朝一夕にできるものではありません。サービスを利用することで、自分が「介護を必要とする状態になった」と自覚することを、堪えられない人だっているでしょう。少し無理をしても、「今まで通り暮らしたい」と願う人が少なからずいることは、とても理解できます。いくら利用を促しても、制度そのものが人の暮らしや気持に沿ったものにならなければ、「介護の社会化」はすすまないし、本人がサービス利用を選択しないのだから仕方がないと切り捨てはいけないことだと思います。
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