2008 年
6 月
2 日
鳥海山のふもとで 環境を語り合う 環境自治体会議ゆざ会議その
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5月28日から30日まで、山形県遊佐町で第16回環境自治体会議ゆざ会議が開かれました。環境自治体会議には3回目の参加ですが、そのたび新たな発見があります。ゆざ会議では、「生物の多様性」をテーマに、自然との共生、農業、食料問題、公共交通、建築、水(湧水、川、海)、ごみ(プラスチック焼却)など幅広い分科会も持たれました。 1日目には秋道智彌さんからの「ただの生きものの大切さ」という基調講演と、「生きものの多様性と郷土力」という鼎談が行われました。人間にとって有用か、有害かという狭い価値基準にない「ただの生きもの」が、生態系を見る目安となり、「ただの生きもの」に目を向けることで、生きものとしての人間と自然との本来の共生が生まれることに気づかされました。最終日に歩いた鳥海山のブナの原生林も、ブナは柔らかく弱いので建材などには使えませんが(人の役に立たない?)、そういう林が鳥海山の豊かな自然をさらに恵み深いものにしているわけですから。 2日目は、気候特性と建築・エネルギー〜エネルギー消費が小さく、しかも暮らしやすい住まいをめざして〜という分科会に参加しました。午前中はフィールドワークで、遊佐中学校、深山神社の湧水、釜礒海岸(海岸から湧水が湧いている)の見学。はじめに訪れた遊佐中学では、遊佐町の斉藤さんから、「外壁に木材が使われているが、雪や風によって腐りやすいので、ひんぱんに防腐剤を含むペンキの塗り替えをしなくてはならない」とか、「廊下の照明が間接照明で、蛍光灯がたくさん入っているのだが非常に暗い」とか、ネガティブな解説が続き、なぜここに来たのかよく分からなくなってしまいました。「デザイン優先の設計で、地域の気候風土に合っていない。メンテナンスにも非常にお金がかかる」という話を聞き、分科会のテーマが「気候特性と建築」であったことに改めて気づき、マイナスも含めて環境自治体会議に考える材料を提供しようとする開催地・遊佐町の懐の深さに感銘を受けました。吹き抜けの高い天井が多く冬はとても寒い、教室の配置や窓の構造で風が通りにくく夏はとても暑い、風の強い遊佐町では、積った雪が飛ばされ明り取りの窓に積り、ガラスが割れてしまうこともある、廊下の天井が高く蛍光灯の交換にも一苦労、大きな扉は重くて修理が一人でできない…実際に現場を見て、日ごろメンテナンスを担当する用務員の斉藤さんから受ける説明には説得力があり、公共施設にありがちな「間違い」の見方を教えて頂きました(でも生徒たちは学校に愛着を持ってとてもきれいに使っています。念のため!)。 フィールドワークからゆざっとプラザに移り分科会が始まりました。このゆざっとプラザはJR遊佐駅構内にあり観光協会(NPO)、商工会が併設され、農協の野菜や加工品も売られていて無人駅の遊佐駅にいろいろな人がいて、賑わいを感じます。 午前中のフィールドワークを生かしながら、特に寒冷地でエネルギー効率のよい建築について考える内容でしたが、シロウトの私には正直、少し難しかった…。その中で一つ印象に残っているのは、「まず、建築的な手法で快適に近づける、その後、機械(設備)的な手法を使う」という話です。構造を環境に合わせれば、空調などの機械の力は小さくて済む=エネルギー効率が高い。言われてみれば当たり前のような気がしますが、「気候風土に合った建築」という視点は新鮮です。 ディスカッションでは、太陽光発電への補助金が打ち切られ普及が思うように進まないことから、義務化をするべきという意見が会場から出ましたが、太陽光を付ければよいわけではない、むしろ地域に合ったエネルギーの活かし方があるのでは、といったパネリストとの白熱した議論があり、なかなかスリリング。山間部では日照時間が短く太陽光発電に向いていないとか、太陽光パネルを付けたがメンテに金がかかるとか、実際の問題も出て、太陽光発電も「ありき」ではなく選択肢のひとつであって、何が一番効率的なのか、市民と専門家が一緒に話をする中でよりより選択をしていくことが必要なのではないかと思います。(つづく)
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