2007 年
11 月
16 日
病気をかかえて地域で暮らしていけるのか?
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堺市で、トラブルの多かった全盲の糖尿病患者を病院関係者が公園に置き去りにした、と報道されました。保健所や福祉事務所は、「入院している人には対応できない」と介入しなかったようです。これは極端な例かもしれませんが、地域生活ができる保証もなく、病院を退院しなくてはいけなくなる事例が増えています。「社会的入院」は、医療費の増大ということでなく(厚生労働省はそれにばかり目が行っているようです)、本人の尊厳保障という点から大きな問題がありますが、地域で生活できる環境がなく退院しても「行く場所がない」のでは、「社会的入院」を解消する意味がありません。 医療制度改革で長期の入院が難しくなり、「在宅医療」へ切り替えようとされています。しかし、病気をかかえながら安心して自宅で生活し続けられるのか、を考えると、まだまだ、在宅医療の環境整備は不十分です。 昨年度から、在宅療養支援診療所という往診を軸とする24時間対応の医療機関が制度化されましたが、実態はさまざまで、外来より診療報酬が高く、検査機器などの設備も必要ないため、医療機関によって考え方は異なるようです。また、診察して処方箋は出ても夜間や休日にやっている調剤薬局との連携がなければ薬は出せないし、容体が急変した際に対応できるよう移送手段の情報も持っていなければならず、「診療所さえあればよい」というわけにはいきません。映画『終わりよければすべてよし』(羽田澄子監督作品)を観に行った際の学習会で、在宅医療を実践されている今村寧医師が「医療だけでは地域生活は支えられない」と話していたことを思い出します。 医療と福祉の連携が言われ続けていますが、お互いの壁は厚く情報共有さえままならない状況なのに、医療的なケアを必要とする人が地域生活に移行しなくてはいけない現実だけがあふれています。残念ながら練馬区には在宅医療に対する計画などはありません。福祉は行政の領域ですから、福祉事務所、保険相談所、病院、在宅診療機関をつなぐ役割を果たすべきだと思います。どんな状態になっても住み慣れた地域で生活できることこそ、本当の「安心」なのですから。
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