2006 年
6 月
7 日
『やわらかい服を着て』を観て
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新国立劇場で「われわれはどこへいくのか」というシリーズの演劇が上演されています。そのうちの何作かに足を運び、6月11日まで上演されていた『やわらかい服を着て』という永井愛さん脚本の作品を観ました。永井愛さんは、今、問題になっている都立学校での君が代・日の丸強制のことをテーマにした『歌わせたい男たち』(残念ながらまだ観ていません)の脚本を書いた方でもあります。 2003年2月16日、全世界でイラク戦争に反対する運動が広がっていた日に始まり、今にいたるまで、若者たちが集まるNGOを舞台に描かれた作品です。「自己責任」が席巻した2004年のイラク人質事件、「郵政勢民営化」のワンフレーズで小泉自民党が圧勝した昨年の衆議院選挙など、私たちに身近で、つい最近あったことを、地道にイラクの子どもたちへの医療支援を続けていたメンバーたちが、どのように受け止め、周囲の人とどんな関係があったのかが綴られていました。私は演劇に詳しくないので、俳優さんたちの演技がどうなのか批評はできませんが、観終った後、何かとても爽やかな気分になったのが印象的でした。 「われわれはどこへいくのか」というシリーズで、なぜ今、イラク戦争やNGOを取り上げたのかを考えると、とても意味深いものがあるように思います。私たちは毎日の生活にとても忙しくて、ついこの間(イラク戦争はたった3年前です)あったことさえ、すぐに忘れてしまいそうになります。だけれども、イラクに落ちた劣化ウラン弾のことや、クラスター爆弾のことを、それに傷つけられた人や、命を落としていった人のことを、イラクに自衛隊を今でも派遣しつづけている国に住んでいる以上、「自分には関係ない」とは決して言えないのではないでしょうか。何よりも私たちは、人を傷つけたり、不幸にしたりしたこと、そのことに自分の国が協力していることを、簡単に忘れてはいけないのではないか、と強く思うのです。 『やわらかい服を着て』というタイトルは、軍服を着ないで、かたいもの、武器を持たずに出掛けるという感じがNGOっぽい、と永井さんは言っています。そういう「やわらかさ」が、本当の平和につながるんだなぁと思います。
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