2006 年
5 月
12 日
カテゴリ:活動報告
文化と伝統
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今国会で教育基本法の改定も審議されています。「愛国心」の問題もさることながら、「文化と伝統を尊重し」というところに私はカチンときます。一体誰の何の文化や伝統なのか!?と思うからです。 私が尊敬している人に網野善彦さんという歴史家がいます。日本中世史が専門なのですが、彼の調べた史料は、商家や庄屋、回船問屋などに残された大福帳や書付で、そこからさまざまな人間の生活が見えてきます。島国で閉鎖的と思われている日本が実は海を通じて活発な商業活動をしていたこと、「百姓」と言われている人が実は農業以外に養蚕や工芸品などさまざまな現金収入の道を持っていたこと、教科書にのっている歴史の常識を覆すいろいろな発見に本当にわくわくさせられる「歴史」です。「歴史の本」として残されているものには決して記されない人々の生活が、私たちの文化であり伝統です。「日本列島は南北に細長く亜寒帯から亜熱帯まで広がっている」と地理の授業で習います。それは多様な気候風土に基づく各々の生活があるということだし、文化や伝統は、「国」に画一化される単純なものではないということです。 歴史や文化を国のものにしてはいけない。文化と伝統を尊重するなら多様性を認め合えなければできません。教育基本法改定で「文化と伝統」と言っている人たちが、日本列島で繰り広げられてきた人びとの生活文化を深く理解しているとはとうてい思えないし、生活文化のダイナミズムを、為政者の矮小な「文化と伝統」に押し込めるのは先人に失礼というものです。
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